眼と肝の関係
東洋医学には「肝は目に開竅する」という言葉がありますが、これは肝の機能が目に現れるということです。
肝の機能の一つとして「蔵血」というものがあります。
これは血液を貯蔵し血液量を調節するということです。
五臓六腑の精気は皆上がって目にそそぐとされていますが、目は肝の竅ですから特に肝血の滋養作用は重要となります。
肝血は眼内の眼房水、硝子体、瞳孔などと密接な関係があり、血が眼房水を養い、眼房水が硝子体を養い、硝子体が瞳孔を保護してこそ視覚機能は維持されます。
また、肝のもうひとつの機能として、「疏泄」というものがあり、人体の気機を滞りなく動かす働きのことをいいます。
眼部に供給される血液は必ず気の推動作用に依存しており、しかも気機が滞りなく動くかどうかは肝の「疏泄」作用と密接に関係しています。
以上のことからも肝と目は関連が深いことがわかります。
五臓六腑のなかでも目にとって特に重要な臓であると言えますね。
<参考文献>
ほくと ◎通巻20号 眼と臓腑経絡の関係(1)堀内久子