「鍼って刺したとき、体の中ではどんなことが起きてるんですか?」

実は“ただ刺してるだけ”ではなく、体の中ではすごく緻密な反応が起きているんです。
🔸1. 微細な刺激が“体のセンサー”を目覚めさせる
鍼が皮膚や筋肉に刺さると、そこにある感覚受容器(メカノレセプター)が反応します。
これらは「圧・伸び・痛み・温度」などを感じ取るセンサーのような存在です。
刺激を受けた受容器は、電気信号を神経を通じて脳や脊髄に伝えます。
すると、脳が「ここが刺激された」と判断し、血流や筋肉の緊張を調整しはじめます。
🔸2. 血流が改善し、老廃物が流れ出す
鍼刺激によって自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが整います。
交感神経の興奮が落ち着くと、毛細血管が拡張して血流が改善します。
その結果、
- 酸素や栄養が患部に届きやすくなる
- 疲労物質や炎症物質(ブラジキニン、プロスタグランジンなど)が排出されやすくなる
という流れが起こります。

🔸3. 脳が“痛みを抑える物質”を分泌
鍼刺激によって、脳や脊髄ではエンドルフィンやセロトニンといった鎮痛物質が分泌されます。
これらは「天然の鎮痛薬」とも呼ばれる物質で、痛みの信号を和らげてくれます。
さらに、鍼を一定時間置くことで、筋肉内の硬結がゆるみ、神経の過敏な反応も静まります。
🔸4. 局所から全身へ、連鎖的な変化が起こる
鍼灸の特徴は、「一点の刺激が全身に影響を及ぼす」ことです。
足や手のツボを使うと、遠隔的に肩・腰・内臓の機能まで変化が起こります。
これは、体をひとつのネットワーク(経絡)としてみる東洋医学的な考え方と、神経反射による全身調整という西洋的な仕組みの両方で説明できます。
🔸5. 「自己治癒力のスイッチ」が入る
鍼の最終的な目的は、「体が自分で回復する力を引き出す」こと。
血流、神経、ホルモン、筋肉、それぞれが少しずつ動き始め、結果的に「体のバランスが整う」という大きな流れが起こります。

鍼は“外から治す”というより、“内側の力を引き出す”施術なんです。
🔹まとめ
鍼が刺さると起こる変化は、
1️⃣ 受容器が刺激され神経反射が起こる
2️⃣ 血流改善で炎症物質が流れる
3️⃣ 鎮痛物質が分泌され痛みが和らぐ
4️⃣ 全身のバランスが整う
5️⃣ 自己治癒力が高まる
という、一連の流れです。
「鍼はなぜ効くのか?」

その答えは、体が本来持つ“治る力”を呼び覚ますからです。
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