― サイトカインって何?東洋医学と現代科学のつながり ―
はじめに
「肩こりや腰痛、なんとなくだるい…」
こうした不調の背景には、体の中の“炎症” が関係していることがあります。
最近の研究では、鍼灸(しんきゅう)がこの炎症をやわらげる働きを持つ可能性があることが分かってきました。
そのカギを握るのが、体の中で働く“伝達物質” ― サイトカイン です。
サイトカインとは?
サイトカインとは、体の細胞同士が「炎症が起きたよ」「治してね」と伝えるための情報伝達物質です。
風邪をひいたり、ケガをしたときに体が反応するのも、このサイトカインが働いているからです。

よしだ
でも、このサイトカインが出すぎると、体の中で炎症が強くなり、慢性的な痛み・アレルギー・疲労などが続く原因にもなります。

鍼灸は「炎症のバランスを整える」
鍼灸には、「血のめぐりを良くする」「自律神経を整える」などの作用がありますが、
近年の医学研究では、「サイトカインのバランスを整える」という効果も注目されています。
たとえば、
- 痛みや炎症を強める物質(TNF-α、IL-6など)を減らす
- 炎症を落ち着かせる物質(IL-10など)を増やす
といった変化が、動物実験や人の研究で報告されています。
実際の研究ではこんな結果も
- 膝の痛み(変形性膝関節症):鍼治療で、関節内の炎症性物質が減り、痛みがやわらいだという報告があります。
- 腸の炎症(過敏性腸症候群・潰瘍性大腸炎):腸の炎症反応が落ち着いたという結果も。
- アレルギーや鼻炎:鼻の症状が軽くなり、体内の炎症性サイトカインが下がったという研究もあります。

よしだ
つまり、鍼灸は「炎症をゼロにする」わけではなく、必要な反応は残しつつ、過剰な炎症を落ち着かせるように働くと考えられています。

鍼灸で体が整うしくみ(イメージ)
- ツボ(経穴)を刺激する
- 神経や血流が反応して、脳や自律神経に信号が伝わる
- その結果、免疫細胞の働きが調整される
- 炎症を抑えるサイトカインが出やすくなり、体のバランスが整う

よしだ
鍼やお灸をすると、体の中ではこんな反応が起きます。
まとめ:鍼灸は「炎症を静める療法」
鍼灸は、体の皮膚近くを刺激しているようで、実は体の中の免疫・神経・ホルモンのバランスにも働きかけています。
最新の研究では、「サイトカインのバランスを整える」ことで、体を内側から穏やかに整える効果が示されています。

よしだ
慢性的な疲れや痛みが続くとき、薬だけでなく「鍼灸による自然な炎症コントロール」を試してみるのはいかがでしょうか。
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