― 「目の疲れ」が全身の不調を引き起こすメカニズム ―
「最近、目が疲れるだけでなく、めまいや不眠もひどい」
「目の奥の重さが取れず、イライラしたり、気分も沈みやすい」
「眼精疲労と診断されたけど、それだけじゃない気がする…」
このようなお悩みがある方、それはただの”目の疲れ”ではなく、自律神経のトラブルに発展している可能性があります。
現代人に急増している「眼精疲労」と、それに伴う自律神経の乱れについて、東洋医学・西洋医学の両面から解説します。
■ そもそも眼精疲労とは?
眼精疲労とは、目の使いすぎによって起こる慢性的な目の疲れや不快感です。
「一晩寝ても疲れが取れない」「目を使うとすぐにしんどくなる」といった状態が続きます。
主な症状には:
- 目の奥の重だるさや痛み
- ピントが合わない・視界がかすむ
- まぶしさ、目の乾き(ドライアイ)
- 頭痛、肩こり、吐き気
などがあります。
これらの症状が続くと、やがて自律神経系にまで影響が及び、全身の不調につながることがあるのです。
■ 目と自律神経の意外な関係
目の働きは、脳と密接に連携しています。
視神経・眼球の筋肉・涙腺・瞳孔の調節などは、自律神経の制御下にあるため、目が疲れると自律神経も影響を受けやすくなります。
自律神経が目に及ぼす働き
自律神経の種類 | 作用 |
---|---|
交感神経(緊張・活動モード) | 瞳孔を拡げる/涙を減らす/ピントを合わせる筋肉が緊張 |
副交感神経(休息・回復モード) | 瞳孔を縮める/涙を分泌/筋肉をゆるめる/血流を回復 |
目を酷使し、緊張状態が続くと交感神経が過剰に働き、やがて自律神経のバランスが崩れていくのです。
■ 自律神経が乱れるとどうなる?
眼精疲労から始まる自律神経の乱れは、次のような症状に発展します:
- 不眠・寝つきが悪い
- 動悸・息苦しさ・喉の違和感
- めまい・ふらつき
- 胃腸の不調(食欲不振・便秘・下痢)
- イライラ・集中力の低下・抑うつ感
つまり、目の疲れを放置することが、全身症状の引き金になる可能性があるのです。
■ 鍼灸で“目”と“自律神経”を同時に整える
鍼灸は、単に「目の周りのツボに刺激をする」だけではなく、神経・血流・筋肉・体質に総合的に働きかける治療法です。
鍼灸が有効な理由:
- 首の深層筋(後頭下筋群)を緩めて眼精疲労を軽減
- 頚部~頭部の血流を促進し、視神経や脳への酸素供給を回復
- 星状神経節や自律神経中枢への間接的アプローチ
- 副交感神経を活性化し、心身を「回復モード」へ導く
よく使われる経穴(一例)
ツボ | 主な作用 |
---|---|
風池・天柱 | 首・後頭部の緊張緩和、自律神経調整 |
合谷・百会 | ストレス緩和・不眠・動悸の改善 |
太陽・睛明・攅竹 | 目の血流と緊張改善、疲れ目対策 |
■ あなたの眼精疲労、以下のような症状を伴っていませんか?
- 目の奥が疲れると同時に「動悸や息切れ」が起こる
- 夜、目の疲れがひどくて寝つけない
- 朝スッキリ起きられない
- 日中ぼーっとすることが増えた
- 病院では「異常なし」でもつらい
このような場合、「自律神経のトラブル型眼精疲労」の可能性が高く、鍼灸での対応が効果的です。
■ まとめ:目の疲れを侮るなかれ
眼精疲労は、単なる局所的な疲れではありません。
自律神経系にまで波及する「全身の不調の引き金」になることが多くあります。
東洋医学では、「目は肝に通じる」とされ、目の疲れは体全体の疲れや“気血の乱れ”と深く関わると考えられています。
鍼灸は、目・首・神経・血流・心身のバランスを全体として整えることができる自然療法です。
「ただの目の疲れじゃない気がする…」と感じたら、早めにケアをはじめてみませんか?
お電話での予約はこちら
048-762-9061
受付時間:8:45~18:45
休診日:月・木