腰が痛いと「腰に原因がある」と思いがちですが、実は「胸椎(きょうつい)」の硬さが腰痛を引き起こすケースが少なくありません。
とくに慢性腰痛・ギックリ腰の繰り返し・反り腰の方は要注意。
腰を揉んでも治らない腰痛は、胸椎の可動性の低下がカギを握っている可能性があります。
◆胸椎とは?その役割
背骨は大きく分けて3つに分類されます:
- 頚椎(けいつい):首の骨(7個)
- 胸椎(きょうつい):胸の高さの背骨(12個)
- 腰椎(ようつい):腰の骨(5個)
このうち胸椎は肋骨と連動しており、呼吸や姿勢に深く関係しています。
また、胸椎の柔軟性が失われると、他の部位に負担がかかる構造になっています。
◆なぜ胸椎が硬いと腰が痛くなるのか?
胸椎が硬くなると、身体は代償動作として以下のような反応をします:
1. 腰椎が過剰に動く
胸椎が動かないぶん、腰椎がその動きを補おうと過剰に動きます。
その結果、腰に負担とストレスが集中し、炎症や痛みを引き起こします。
2. 呼吸が浅くなり、体幹が不安定になる
胸椎の可動域が狭くなると、肋骨の動きも制限されて呼吸が浅くなります。
呼吸筋(横隔膜・肋間筋など)がうまく使えなくなり、体幹の安定性が低下 → 腰部の筋緊張や違和感につながります。
3. 猫背・反り腰の誘発
胸椎が丸まった状態(猫背)や動きが乏しい状態が続くと、骨盤が前傾・後傾し、姿勢の崩れが腰へのストレスを増大させます。
◆あなたの腰痛、胸椎の硬さが原因かも?
以下の項目に当てはまる方は、胸椎の硬さが腰痛の原因になっている可能性があります:
- 呼吸が浅い・肩で息をしている
- デスクワークが多く、背中が丸まっている
- 腰を反らすと痛い
- マッサージや整体でも腰痛がすぐ戻る
- スポーツやヨガなどで「胸を開いて」と言われても難しい
◆鍼灸治療ではどうアプローチするのか?
鍼灸では、腰だけでなく以下のようなポイントにも注目してアプローチします:
- 胸椎周囲の筋肉(脊柱起立筋・菱形筋・広背筋など)の緊張を緩める
- 肋間筋や呼吸筋への刺鍼で、胸郭の動きを改善
これにより、腰の局所にかかっていた無理な力を軽減し、根本からの改善を目指します。
◆まとめ|腰痛の原因は「腰」じゃないことも多い
「腰が痛い=腰に原因がある」とは限りません。
胸椎の可動性の低下が腰痛の真犯人であるケースは多く、特にデスクワークや運動不足の現代人には見逃せない要素です。
鍼灸では、そうした全身のつながりを見て施術することが可能です。「治らない腰痛」でお悩みの方は、一度“胸椎の硬さ”に目を向けてみてください。
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